機能性高体温症、心因性発熱(高1 男子)

 中学時代にも部活(野球部)を引退した直後に、原因不明の発熱(38度以上)したことがあったそうですが、いったんお落ち着き、高校に進学します。すると5月中旬からまた高熱と倦怠感に襲われることが毎日のように起こり始めました。学校にも行けない、行っても早退する日が多くなります。
 病院からは機能性発熱と診断されました。心因性ということです。確かに、5月病という言葉があるように、精神的なストレスで体調を壊すことも多い時期です。ストレスは全身疲労に繋がりますし、体温調整を司っている自律神経系等にも悪影響を及ぼします。

 しかし、原因の全てを精神的なストレスのせいにするのは、ちょっと違うのではないかと思っています。当初、この生徒の親の知人から相談を受けたときに、「過去にアレルギー性紫斑病なども患ったことがある」と聞いていましたので、当然、頚椎の問題はあると思っていました。

 すると、やはり頚椎の歪みやストレートネックの問題が見つかりました。ここを重点的に矯正していけば、そこが原因の不調も改善できるし、たとえストレスを感じたときでも、軽く済むことが期待できます。
 初診時の施術前体温は37度でしたが、施術後は36.6度に落ち着きました。以後、週イチの通院でしたが、だいたい施術前は微熱で、施術後は平熱にもどるという状況でした。
 また施術時に38度以上の高熱はありませんでしたが、自宅ではしょっちゅう高熱が出るということでした。

 初回は身体も軽くなり、スッキリしたと思うのですが、あまり元気はないようです。しかし後日、紹介してくれた方から聞いたところでは、初回の施術後、車中ですごくおしゃべりしたそうで、母親が『喋りすぎて気持ち悪かった(笑)』と、言っていたということでした。やはり施術によって気分が良くなったのだと判断しました。

 その後、一か月で夏休みに入り、学校へは行かなくても良い状況になりましたが、相変わらず熱は出たり出なかったり。でも熱が出ない日も増えてきたような感じです。自宅でも首が歪む姿勢を気をつけるようにと言っておきましたが、習慣になっているとうっかり悪い姿勢をとっている可能性はあります。

 夏休みが終わり、学校も行き始めたということで月に1回の通院になりました。本当は週イチで通ったほうが良いのですが、本人が(通院を強制された)と感じてしまってはいけないので、通院ペースに関しては家族におまかせすることにしました。

 11月の通院時には、めずらしく鼻水が辛そうでした。何度も鼻をすすっています。その週は高熱は出ないものの、頭痛やめまいのようなことも起こり、早退する日が多かったそうです。
 しかし、施術前にあれほど辛そうにしていた鼻水が、施術ベッドに寝てからはピタッと治まりました。これは完全に頚椎の問題です。起きていると頭の重みで頸椎椎間板が圧迫され、鼻に関係した神経を刺激するんですね。寝た状態では椎間板は頭部の重さから開放され、神経刺激が無くなります。
 したがって、これは頚椎を矯正する枕を使って、家で日々、自己療法に努めたほうが良いと思いました。販売もしていますが、まずは無料貸出用で試してもらうことにしました。施術後は鼻水が出ませんでした。

 一ヶ月後の来院時、お母さんが可笑しそうに、そして不思議そうに言いました。
 「あれから枕を毎日使っていますが、頭痛も鼻水も、熱も出ないんです!」
 おっ! それは素晴らしい! もちろん枕買いますよね?(笑) 普段からあまり枕を売り込むことはしていないのですが、もっと早い時期に使ってもらっていたら良かったかな、と反省しています。

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