熱中症対策には塩分補給を

6月中での梅雨明けということで、早くも連日猛暑が続いています。
こんなに早い梅雨明けは記憶ないなと思っていたら、やはり観測史上最速らしいですね。
今からこんなに暑くては、この夏はいったいどんな酷暑になるのやら、本当に心配です。
特に熱中症が怖いですね。亡くなる方も多くなっています。

◎減塩運動のせいで塩が摂りにくくなっている?


 『熱中症対策』としては、例年のとおりテレビやラジオなどマスメディアを中心に、「エアコンを使いましょう、水分をこまめに摂りましょう」と呼びかけています。
 しかし、大事なのは塩分の補給です。汗とともに体内の塩分が失われますから、補充が必要です。水分補給では脱水症状は防げるでしょうが、熱中症対策としては不十分ですね。
 ところが、近年の減塩運動のせいでしょうか、「塩を摂りましょう」と言ってはいけない空気を感じます。
 塩分は生きていく上で必要不可欠のミネラルのはずなのに、マスコミ等での扱いはまるで『毒』のようです。減塩運動が始まった頃は、成人一日の目標は10グラムでした。今は日本高血圧学会が吹奏する目標値は6グラム未満、WHOでは5グラムとなっています。

◎昔は塩の大事さが分かっていた


 私の住んでいる地域だけかもしれませんが、私の子供の頃(1980年以前)は、夏には冷蔵庫に常に塩入りの麦茶がストックされていました。他にもスイカ、トマト、トウモロコシ、枝豆、とにかく夏は塩を掛けまくって食べていました。これは味が良くなるという他に、夏は塩分を摂らないといけないという先人の知恵だったのでしょう。
 しかし、減塩運動のせいなのか、そういった塩分摂取はいつのまにか無くなっていました。
 そのことも踏まえると、もしかして近年の熱中症増加は、ここ数年来続いている『減塩運動』にも一因があるような気がしてきました。ただでさえ、食事から摂る塩分が少なくなっているのに、夏場は発汗でさらに塩分不足になっていると思われます。
 武田鉄矢氏がラジオ番組で語っていましたが、江戸時代の拷問のひとつに『塩抜き』があったそうです。人は塩分を採らないと立ち上がることもできないくらい、弱ってしまうそうです。最終的には死に至ります。
 戦国時代、上杉謙信が敵将武田信玄に塩を送ったことは有名な話ですね。塩は大事です。

◎1994年から何が起きている?


 昔話ばかりで恐縮ですが、子供の頃は外で強い紫外線に当たり続けることで『日射病』はよく耳にして、注意喚起されていましたが、熱中症は聞いたことがありませんでした。なぜ熱中症が増えたのでしょう。
 興味深いデータがあります。次のグラフですが、1993年までの熱中症死亡者数と、1994年以降のそれとは、劇的な変化があります。単年度だけの増加なら記録的な酷暑があったと言えるでしょうが、1994年以降は増加傾向にあります。


 1994年からのこの極端さは、自然現象や人間の体質変化だけでは説明できないのではないでしょうか。何か社会的な要因があったら怖いですね。引き続き調査してみます。

◎結論


 塩分の摂り過ぎはもちろんいけませんが、不足してもいけません。
 私も数年前、真夏のトレーニング後に熱中症になりました。水分は摂っていましたが、塩分がありませんでした。あまりの具合悪さに、救急車も考えたほどでした。幸い、ポカリスエットのがぶ飲みで回復しました。
 屋内にいても、エアコンを付けていても、夏場は発汗します。適量の塩分補充を心がけましょう。