上腕骨折の後遺症で腕が上がらない(60代 女性)

 昨年、交通事故による腰痛で通われていた方。レントゲンでは骨折ではないと診断されていましたが、痛みの状態からして骨折があったと思われます。徐々に回復しましたが、もともとの腰椎の頑固なねじれもあり、月1~2回くらいでメンテナンスをしばらく続けようか、という頃になった矢先、転倒して今度は右の上腕を骨折してしまいました。
 骨折後、二週間して来院。当院では回復を早める骨折用の施術もありますが、時間が経過しているのであまり効果は期待できません。ご本人も、骨折による不自由さで首・肩こりがひどくて辛いので来院されたとのこと。施術後は「気持ちよかった~」と喜んでいましたが、まだしばらく自分で運転できないので、送迎する人の都合のいいときに予約を入れますといって帰られました。その後、10日後に施術。その時も腕が動かせませんということでしたが、こちらも大事をとってあまり大きくは動かしませんでした。首こりを中心とした施術。


 骨折から一ヶ月ちょっとが経ち、病院でもリハビリを始めたら首・肩が猛烈に張ってきました。まだ腕は上がりません。仰向けでも確認すると、肘は曲げられますが腕は全く持ち上がりません。四十肩・五十肩に似た症状です。同じと言ってもいいかもしれません。怪我がもとで四十肩・五十肩に移行する場合は多いのです。
 動かないのは骨が原因ではなく、筋肉の硬直が腕の動きを邪魔している状態。頑固な癒着もあります。首周辺も後側より前側、喉の方がガチガチに固まっています。
 でも、そろそろ普通に施術しても大丈夫な頃です。動かしてまた骨折が広がることはないでしょう。なので、今回は腕が動くように念入りに施術。くれぐれも痛みが出ないように注意を払いながら行います。途中で確認しながらやっていくと、徐々に腕があがるようになりました。仰向けでは顔付近まで肘が上がるようになりました。
「上がった~嬉しい」(良かったですね)
 家でのリハビリ(病院指導)は、あまり痛みが出ないように気をつけてやってくださいとお願いしました。